2011-02-13

考えていることの重複

最近6ヶ月くらいの間に読んだ本はひとつの大きなテーマに沿った一連の本でどこかでそれぞれの書物を読んだ感想と抽出した問題を書き上げておかないと忘れるなと思っている。それぞれの著者同士は一部だけが互いに知っているようだが、どちらかというとそれ以外は互いを意識することなく書いているので一見すると関連が無いようにも思えるが私には同じテーマを追っているように思える。
それらの本とは読んだ順に①形の生物学(本田久夫)②歴史としての生命(村瀬雅俊)③構造主義生物学とは何か(池田清彦)④構造主義生物学(柴谷篤弘)⑤創造的進化(アンリ・ベルグソン)であるが、著作順は古い順に⑤1907年③1988年④1999年②2000年①2010年の順である。問題の著作の存在に気がついて遡っているうちに最も古いベルグソンの著作にたどり着いたという気がする。
あらためて私の関心事の中心的な部分をベルグソンが占めていることに気がついた。特にこの著作(創造的進化)の強調している人類の持つ認識装置にかけられた抗いがたいバイアスについての議論が私には非常に魅力的だ。これらはもう少し遡れば西洋理性の源泉であるプラトンやアリストテレスにたどり着くのだろうが、1000年以上人類の気づかなかったことを指摘しているように思える。根気と冷静さが一段と求められる話ではあるが、この思潮を大切に育てていくと人類の抱えている問題の多くの部分は解決していくように感じている。具体的な感想は順次ここに記述していこうと思っている。